お知らせが遅くなりました。2024/10/19にマイクロマガジン社ことのは文庫さまからの、2冊目の本が発売になります。
「書棚の本と猫日和」
前作の「紅茶と猫と魔法のスープ」に引き続き、素敵なタイトルを考えてくれたのは担当編集者さまです。
そして装画も前回に引き続き、わみずさまが担当。またいつか描いてもらえたら嬉しいなあと思っていたのですが、まさかこんなにすぐ、その機会がめぐってくるとは、感激です。
今回書いたのは、シェア型書店の棚主たちの物語です。一話ごとに繋がりのある連作短編で、通して読むと、各話の主人公達のその後が推察できる長編小説になっているのではないかと思います。
ところで、シェア型書店って……?
耳にしたことはあるけれど、よくわからないという方も多いのではないかと思います。
「シェア型書店」は共同書店とも言われています。書店の一棚を借りて、自分の好きな本を並べることができる、一棚ごとに本の管理する人が違う、小さな書店の集合体です。
店によってコンセプトや制約がある場合もあったりと、棚ごとの個性だけではなく、書店自体のカラーもあるのが、面白いところかなと思います。
今回小説で書いたのは、東京・新宿にあるシェア型書店と、岡山の個人書店の中にある棚貸しです。
(ちなみに佐鳥は2年半ほど、シェア型書店でこっそりと棚主をしています)
あらすじは公式サイトに公開されてます。リンクを下に貼っておきますのでぜひ読んでみてください!
簡単に、この本の特徴を。
- 全国初(!?)棚主に興味のある方必読の、シェア型書店の小説
- ある話の主人公が、別の話ではサブキャラになる連作短編。最後まで読むと一つの長編になる濃密なヒューマンドラマ
- メインとなる舞台は東京・新宿。人種の坩堝、新宿で生まれ育った人たちの価値観や、暮らす場所としての新宿が覗ける
- サブ舞台は岡山。ストーリーにボリュームあり。(ひそかに佐鳥初の方言小説だったりする)
- 本棚の中に隠れてしまう保護猫が、看板猫になるまでの成長をそっと見守れる
「これ、ページ数以上に読み応えありますよね~」と、担当編集さまに言っていただきましたが、なんだかもう、みしみしと、キャラクター文芸の枠を打ち破ろうとする音が聞こえています……笑
本を媒介して、交わるはずのなかった人たちが出会い、自分にはない価値観に影響を受け変化していく、という物語です。
人から直接言われた言葉だけでなく、自分が誰かに言った言葉や、身の回りの人の言葉、それが知らぬ間に心に留まっていて……、という「ことのは」の物語でもあります。
当たり前にもう一度目を向けたくなるような、ささやかな気づきを書いてみました。
書いているときに不思議と、これまで様々な作品をきっかけに出会った、読者さまたちを思い出していました。
好奇心いっぱいの方々が気に入ってくれそうな、私らしい作品になったのではないかと思います。
発売まで、ちょうどあと1ヶ月。予約も始まっていますので、どうぞよろしくお願いします!